手描友禅染は職人の伝統の技が季節をめぐる時の流れとともに描き出す日本美の結晶です。
高橋徳では着物や帯の製造を中心に「手描友禅染教室」や「工房見学・体験」一階フロアーでは「友禅和小物 たかはしとく」のショップをオープン致しております。
◆ショップ営業日時:11:00〜18:00 営業日:月曜日〜土曜日 ※日曜日・祝日・第2土曜日は予約があった場合のみ営業します。お気軽にお問合せ下さい。
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立身出世を願う男子の節句現代社会では毎日の仕事が忙しく、季節の節目を大事にしてきた日本人の習慣が本当にうすれてきているように思います。とはいえここ京都でも少しずつ昔の良き習慣が見直されるようにもなってきた今日この頃、ゴールデンウィークではなく端午の節句ということで色々な書物を調べてみました。するとある部屋の片隅においてあった「国民の祝日」の由来がわかる小辞典 著書 所功 という書籍を読んでみる、とこのようなことが書かれていました。 『この5月5日は単に子供だけの祝い日ではなく、「祝日法」をみると、「こどもの日、5月5日 こどもの人格を重んじ、子供の幸福をはかるとともに、母に感謝する」と文明化されているそうです。確かに多くの場合、こどもを産み育てるのに、母親の絶大なはたらきを認めざるをえないのです。』とあり、その後の記述の中にも中国の「父母恩重経」という大乗仏典ので父母の恩徳、10項を取りあげていますが、そのほとんどが母親でなければ出来ない苦労ばかりが書き記してありました。そのような事を色々と加味していくと現代社会の端午の節句は子供の成長、立身出世を願うばかりでなく、成長した子が母の労をねぎらい感謝する、ある意味本当の「母の日」ではないかと感じるようになってきました。そんなことを考えると、家族、そして職人が寝食を共にしてきたここ?橋?工房の短い歴史の中でも女性が果たして来た役割はずいぶんと大きい物だと思います。以前は男子の成長と出世を願う意味で節句の行事が盛んに行われていました。菖蒲やよもぎ餅、兜や鯉幟などを出してお祝いもしてきました。そのような記憶を辿り何か古い写真は無いかなと思い箱のなかを整理していると当時の思い出深い一枚の写真がでてまいりました。現在の住宅事情やこのような物を作る腕のよい職人が少なくなっていることから新たにこれだけのものをそろえようと思うと結構たいそうな事ではないかと思います。画面左端に写っております梅鉢紋の幟は初代徳二郎が友禅染で作り上げたものだそうです。歴史的には大したものは御座いませんが、どれも思いのこもったものですので是非機会があればご覧いただきたいと思います。